窃盗罪(万引き)で警察から呼び出されたらどうなるのか
万引きなどをしてしまい、後日警察から呼び出しを受けてしまった……。
今回は、その後の流れや、不起訴にするためには何が必要かなど、窃盗事件に関する疑問についてご説明します。
1 窃盗罪について
コンビニでの万引きから、貴金属店から高価な時計などを盗む行為まで、これらの行為は刑法上の「窃盗罪」に該当します。
窃盗罪に科される刑罰は、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっており、最大で10年の懲役刑の可能性があるという点で重い罪といえます。
(なお、2025年6月1日からは懲役と禁固が一本化され拘禁刑となります。)
被害金額が少なく、初犯であれば、示談をすることによって不起訴になることもありますが、被害金額が高額で、示談ができない場合には、たとえ初犯であっても起訴され正式裁判になる可能性もありますので、早期の対応が必要になります。
2 捜査の流れ
一般的に、窃盗事件の場合は、現行犯の場合には、その場で警察から事情を聞かれることになります。
逮捕されなければ、後日、警察署から取り調べの呼び出しを受けることになります。
現行犯ではない場合には、被害者や被害店舗が被害を認識し、警察に被害届を提出することから捜査が始まります。
そして、防犯カメラ映像や目撃者などの情報を基に捜査を進め、加害者を特定した時点で、逮捕されたり、任意で事情を聴かれたりすることになります。
3 示談交渉の重要性
窃盗事件で罪を認めている場合、被害弁償などの行為を行わなければ、当然処罰を受けることになります。
初犯、被害額が小さいなどの場合には、正式な裁判ではなく、簡易な手続きで罰金刑となる場合が多いですが、そうではない場合には、正式裁判になってしまうこともあります。
いずれにせよ、無罪を争わない限りは前科がついてしまい、社会生活上不利益を受ける可能性があるので、これを避けるうえで、示談が重要になります。
窃盗罪で法が保護しようとする権利は、「他人の財産」であるため、財産上の損害が填補された場合には、ひとまず一度侵害された権利は回復したことになります。
そこで、示談が成立すれば、処分を決める検察官においても、「被害者が許しているのだからこれ以上処罰する必要はない」と判断し、不起訴など寛大な処分を下す可能性が高まります。
ただし、一般的に、大手ドラッグストアやスーパーマーケットなどは、会社の方針としてそもそも示談を受け付けていない、として応じてもらえない場合もありますので注意が必要です。
5 不起訴の場合
示談が成立し、不起訴となった場合には、もちろん前科がつくことはなく、その後の処分もありません。
6 起訴された場合
示談が成立せず、また、示談が成立したものの、種々の事情から起訴された場合、簡易な略式手続きの場合には、法廷で裁判を行うことなく、50万円以下の罰金刑が言い渡されることとなります。
一方で、正式裁判になった場合には、犯罪事実に争いがない事案であれば、今回の事件について深く反省していることや、今後の再犯防止策などを、本人だけでなく、その家族などにも法廷で証言してもらい、裁判所に対して寛大な処罰(執行猶予付きの判決)を求めることになります。
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