債務整理(借金問題)
債務整理を弁護士に相談する際のポイント
1 債務整理を弁護士に相談する際のポイントは2つ
何らかのご事情で借金の返済が困難になってしまい、弁護士に債務整理について相談しようとお考えの際には、次の2つのポイントをおさえておくとより確実な問題解決につながると考えられます。
1つめは、債務整理に強い弁護士を探す、選ぶということです。
2つめは、債務者の方の債務や収支、財産の状況をできるだけ正確に把握しておくことです。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 債務整理に強い弁護士を探す、選ぶ
実は弁護士にも得意とする法律分野と、そうでない法律分野が存在します。
法律にはとてもたくさんの分野が存在しているため、ひとりの弁護士があらゆる法律分野に詳しくなるということは、現実的には困難であるということが理由です。
そのため、債務整理について相談をしたい場合には、債務整理に強い弁護士を探す必要があります。
債務整理に強い弁護士とは、債務整理を重点的な取り扱い分野としており、債務整理に関する事件の解決実績が多い弁護士です。
このような弁護士を探す方法はいくつかあります。
まず1つめは、弁護士事務所のウェブサイトを見て、債務整理を重点的取り扱い分野としているかを確認します。
もう1つは、弁護士会や自治体から弁護士の紹介を受ける際、債務整理を重点的に取り扱っている弁護士を紹介してほしい旨を伝えることです。
そして、いずれの場合においても、面談の際に債務整理に関する事件の解決件数等を質問するとよい場合もあるでしょう。
3 債務や収支、財産の状況をできるだけ正確に把握しておく
債務整理の可否や、債務整理の方針に関する見通しを正確に検討するためには、債務者の方の債務、収支、保有財産の情報が必要となります。
例えば、保有財産が少なく、かつ収入に比べて債務総額がとても大きい場合には自己破産を検討することになります。
債務に関する問題は、一般的には時間が経つほど状況が悪化していきます。
そのため、できるだけ早く債務整理の方針を決定し、対応を開始できるようにするためにも、債務者の方の財政状況に関する情報をご用意ください。
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この記事では、債務整理をするときの手続についてご説明します。
1 債務整理の4つの方法
債務整理の手続には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類があります。
⑴ 任意整理
任意整理とは、消費者金融などの債権者との任意の交渉によって今後の借金の返済方法を決める手続です。
債権者との間で任意整理による交渉がまとまると、合意後の支払い利息を支払う必要がなくなります。
また、返済期間を延ばしてもらうこともできますので、一回あたりの返済額を減らすことができ、支払いが容易になることもメリットです。
ただし、借入れの元本自体を減らすことは通常できません。
したがって、多額の債務を抱えており、期間を延ばしても返済が不可能であるような場合は、任意整理による解決は向いていないといえます。
任意整理は裁判手続によらず任意の交渉によって行われますので、裁判所に出頭する必要がなく、もっとも気軽に利用できる手続です。
⑵ 特別調停
特別調停は、調停委員が間に入って裁判所で債権者との話合いを行い、借金の返済方法を決める手続です。
任意整理の手続を裁判で行うとイメージするとよいかと思います。
調停が成立すると調停調書が作成され、その内容のとおりに支払いをしていくことになります。
特別調停のメリットは、任意整理と同様にどの債務者と和解をするか選ぶことができることと、民事執行停止の申立てという手続を利用することにより、すでに行われている強制執行手続を停止できることです。
⑶ 個人再生
個人再生は、裁判所に申立てを行い、借金を減額してもらう手続です。
減額された債務は3年から5年の間に返済する必要がありますが、住宅や車を手放す必要がなかったり、手続開始後は債権者が強制執行を行うことができなくなったりするといったメリットがあり、住宅ローンを抱えたサラリーマンの方などによく利用されます。
住宅ローンの返済を継続しながら個人再生の手続を行うためには、住宅資金貸付債権に関する特約という制度を利用することになります。
一方、個人再生のデメリットは、特定の債務者を選んで手続きすることができない点です。
例えば、奨学金の借入れがあり、父母や親戚が連帯保証人となっているような場合には、個人再生を行うと連帯保証人に請求がいくことになります。
連帯保証人に迷惑をかけたくない、知られたくないといった理由から、奨学金の借入れだけ個人再生の対象から外して、個別に返済することを考える方もいらっしゃるかと思いますが、このようなことは裁判所から許可されません。
個人再生はすべての債権者を対象とし、平等に扱わないといけないのです。
この点は、この後説明する自己破産の場合でも同様です。
連帯保証人に知られずに債務整理をしたい場合には、任意整理か特別調停を選択する必要があります。
⑷ 自己破産
自己破産は、裁判所に申立てをして借金の残高を0にしてもらう手続です。
財産が没収される、就ける職業に制限がかかるなどのデメリットも大きいですが、借金がいくらあっても帳消しにできるため、メリットも大きい手続です。
自己破産には、管財事件と同時廃止事件があります。
管財事件は、裁判所によって破産管財人が選任され、破産管財人が破産者の財産を換価・処分して配当する手続です。
管財事件は破産手続の原則的な形です。
管財事件となった場合で、いくつかの条件を満たす場合は少額負担で破産手続を進めることができます。
これを少額管財事件といいます。
少額管財事件はすべての裁判所で扱っているわけではありませんが、蒲田の管轄である東京地方裁判所では少額管財事件の取扱いがあります。
一方、同時廃止事件は、破産管財人が選任されず、破産手続の開始と同時に破産事件が廃止となる事件のことをいいます。
同時廃止事件となるか管財事件となるかの基準は、予納金の20万円を支払うだけの財産があるかどうかです。
例えば、車の査定を行った結果、20万円を超える査定結果が出た場合には、管財事件となる可能性が高くなります。
管財事件になると、破産者は、破産管財人に対して支払う報酬を含めてそれなりの費用を支払わなければいけません。
そのため、破産者にとっては、同時廃止事件になるか管財事件になるかは重大な問題です。
2 過払い金返還請求
貸金業者に払い過ぎたお金がある場合には、払い過ぎた分が返ってくる場合もあります。
そうすると、借金が大幅に減額されて債務整理を行う必要がなくなったり、逆にお金が手元に戻ってきたりする場合もあります。
そのような場合は、信用情報機関に事故情報が登録されることもありません。
過払い金があるかどうかは、貸金業者から開示を受けた取引履歴を適正な利率で計算しなおすことによって判明します。
そのため、債務整理や自己破産の手続中に過払い金があることが判明することもあります。
過払い金が発生している可能性が高いのは、2010年6月17日以前に借り入れを開始した方や、借金を返済してから10年以内の方です。
3 蒲田の管轄裁判所
破産や個人再生手続を行うときに管轄となるのは、住所地を管轄する地方裁判所、特別調停の場合は簡易裁判所です。
住所地が蒲田にある場合には、千代田区霞が関にある東京地方裁判所、あるいは東京簡易裁判所が管轄となります。
特別調停の申立ては、東京簡易裁判所の墨田庁舎でも行うことができます。
過払い金返還訴訟の場合、請求額が140万円以内の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所が管轄となります。
4 債務整理の費用
⑴ 自己破産の費用
自己破産をするときには裁判所に予納金と呼ばれる費用を納めなければいけません。
予納金の金額は裁判所によって若干異なります。
個人の自己破産の場合、ほとんどの場合は少額管財事件として取り扱われますが、通常管財事件の場合の予納金は以下のとおりとなります。
- ・負債額5000万円未満:50万円
- ・負債額5000万円から1億円未満:80万円
- ・負債額1億円から5億円未満:150万円
- ・負債額5億円から10億円未満:250万円
- ・負債額10億円から50億円未満:400万円
- ・負債額50億円から100億円未満:500万円
- ・負債額100億円以上:700万円~
⑵ 個人再生の費用
個人再生手続きの申立てを行うためには、収入印紙代や官報公告費用の予納金、切手代が必要です。
それに加え、個人再生委員の報酬を予納金として支払う必要があります。
⑶ 弁護士や司法書士に支払う費用
弁護士や司法書士などに依頼する場合には、裁判所に支払う費用の他に報酬を支払わなければいけません。
専門家の報酬は、専門家の種類や債務者の数などによって異なります。
債務整理の相談は無料で受けている事務所も多いので、まずは無料相談を利用して費用を確認してみることをおすすめします。
5 蒲田にお住まいで債務整理を検討されている方は当法人へ
以上のように、債務整理にはいくつかの手続があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
どの方法が適切かは個々人の事情によって異なります。
「家族にはバレないように手続を行いたい」、「一部の債権者には支払いを続けたい」、「過払い金があるかどうかだけ知りたい」、「とにかく多額の債務から免れたい」など、債務整理を検討している方にはそれぞれ事情があることと思います。
どの方法を利用するかは、弁護士と相談して決めることをおすすめいたします。
債務整理は、借金の返済方法を変更してもらったり、返済額を減額したり、場合によっては借金を帳消しにする手続です。
気が重いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、債務整理は新たな一方を踏み出すための手続であるともいえます。
お一人で悩まず、弁護士と相談して自分に合った解決方法を見つけるのがおすすめです。
蒲田やその周辺地域にお住まい、お勤めの方で、借金でお悩みなら、原則相談無料の当法人までお問い合わせください。