障害年金
障害年金受給後に障害の程度が変わった場合
1 障害年金受給後の程度の変化
障害年金は、診断書の提出等を行い、その時点の障害の状態を審査して受給が認められます。
では、障害年金の受け取るようになった後、その後症状が悪化したり改善したりした場合にどうなるのか、状況に応じてご説明いたします。
2 症状が改善した場合
障害年金は、障害認定日頃の症状に基づく診断書や、事後重症請求の場合は直近の症状に基づく診断書等を提出し、「その時点の状態」を審査されることで受給の可否が決定されます。
さらに、受給の決定がされた際は、何級になるかという認定だけでなく、次回の等級の審査(更新)がいつ行われるかという期間も定められます(これを有期認定といいます。無期限の永久認定となることもあります。)。
有期認定の場合、更新のための診断書提出期限の3か月前くらいに日本年金機構から障害状態確認届(診断書の様式と一体になったもの)が送付され、この書面にあらためて現在の障害状態について医師に記入してもらい、受給の継続が認められるか否かを審査することになります。
更新の手続きの際、症状が改善している判断されると、それまでの等級より低い等級に認定されることがありますし、等級に該当しないと認定されると障害年金は支給停止となります。
あくまで極論ですが、受給が認められた直後に症状が完治したとしても、更新手続き前までは受給が続くことになります。
この場合、何もしなければ更新手続きの際に支給停止となるでしょう(症状が再燃した場合には再度の支給を求める手続きができます。)。
なお、多くはないかもしれませんが、支給停止申出書を提出し、自ら支給を止めてもらうことも可能です。
3 症状が悪化した場合
受給後、症状が悪化した場合は、認められた等級よりも上位の等級が認められる場合があります。
昇級を希望する合は、「額改定請求」という手続きをとり、受給決定後の悪化した現在の状況に応じた受給が認められないかの審査を求める必要があります。
もっとも、額改定請求については、直ちに手続きができない場合がありますので、申請時期に注意が必要です。
例えば、障害認定日時点ですぐに障害年金申請をして受給が決定された場合、障害認定日から1年後(正確には1年後の障害認定日と同日)まで額改定請求は認められません。
一度審査された後に何度も審査はできないということです。
いつから額改定請求ができるようになるかは個々の状況により変わり、複雑な内容となっていますので、事前に障害年金の案件を取り扱っている弁護士や社労士に相談されることをおすすめします。
障害年金が決定したらいつから受け取れるのか
1 決定から受け取りまでは50日以内
障害年金の受給が決定すると、障害年金を受け取れる証明として年金証書が送付されてきます。
その年金証書が送られてきてから初回の年金が振り込まれるまでの期間は、50日以内だといわれています。
そのため、年金証書が届き、支給が決定したことが分かった時から50日以内には障害年金が支給されるとお考えいただければと思います。
2 障害年金の振込日は15日
通常、年金の振り込みは偶数月の15日です。
そのため、障害年金の振込日も15日となりますが、初回の振り込みのみ、偶数月ではなく、奇数月の15日に振り込まれることもあります。
年金証書の発行日が月の前半の場合には翌月の15日に、年金証書の発行日が月の後半の場合には、翌々月の15日に年金が振り込まれる可能性が高いです。
なお、その月の15日が土日祝など、銀行等が休みの日であった場合は、その直前の営業日に振り込まれることになります。
3 正確な振込日は年金振込通知書や年金事務所で確認できる
年金が支給される月の10日前後に、年金振込通知書が送られてきます。
この通知書には、障害年金がいつ、いくら振り込まれるのかが記載されています。
そのため、初回の振込日が、正確にいつなのかを知りたい場合は、その通知書の記載を確認することで分かるということになります。
ただ、その年金振込通知書が送られてくるのは、初回の障害年金が支給される数日前です。
それより早く、正確な振込日などを知りたい場合は、年金証書が届いた後、年金事務所に問い合わせるとよいと思います。
4 2回目以降は偶数月の15日に振り込まれる
障害年金の支給が決定し、年金証書が届いた場合には、その翌月の15日もしくは翌々月の15日に最初の年金を受け取れます。
2回目以降は、偶数月の15日に振り込まれていきます。
毎年6月に、1年分の支払金額や振込予定日を記載した年金振込通知書が送られてきますので、以降の振込予定日はこちらの通知書で確認できます。
なお、年金証書は、障害年金を受け取れる証明であり、とても大切な書類です。
そのため、年金証書はなくさないようにしましょう。